1000年に一度と言われる地震、津波による被災を受けた皆様、また身内及び友人・知人が被災者だという方には心よりのエールを送り、さらに犠牲者がおられる方には衷心よりお悔やみを申し上げます。

また、横串会会員が主催するサイエンスイベントの中止も相次いでいるようですが、なにとぞ時期を得て再開されますことを祈念しております。

 いま、サイエンスコミュニケーションに何ができるかを問う声も、Twitterやブログに散見されております。現地から遠く離れた地域の人達は、毎日テレビでみる現地の状況に何も出来ない自分に歯噛みする思いでおられることでしょう。
 しかし、いまこの状況は、やはり災害のプロに任せ、彼らに避難、復旧に全力を尽くしていただけるような後方支援しかないでしょう。そして、復興のめどが立ってからサイエンスコミュニケーターなり科学者なり、さらに様々な仕事の専門家もその専門を生かした現地への貢献を考えていくしかないのではないかと思います。

 また、サイエンスコミュニケーションにできることは、科学的な間違いを含む流言飛語を正し、デマに扇動される人々が出ないようにすることなのではないかと思います。

 そのために、情報発信を続けている方々も多くおられる小音は本当に力強いことだと感じています。そして、私自身もその情報をさらに拡散し、皆さんに届ける力の一つになりたいとも思っております。

 私が懸念するのは、Twitterやブログ、mixiボイスなどでも原発や地震の今後に関して、理解不足が原因となる(でもその個人は真剣な)情報が飛び交っていることです。そうした情報や、その情報を受けて戸惑いを覚えている人たちの声に、科学を背景にした正しい理解を伝えることが、今サイエンスコミュニケーターを標榜するものにできることではないでしょうか。

 いま起きているプロの力による自然災害との戦いのあとに、市井の知性を結集して臨むべき日常の戦いが控えていると私は考えています。

 その場には、横串会会員の皆さんの力が必要とされると信じています。
科学をベースにした事実の解釈と行動の拠り所になる知識の流布には、TVなどマスメディアよりも、身近な人の言葉が頼りになるものです。
 市井の民の持つ基礎力の高さが日本という国の特徴だとするならば、それが最大に発揮されるのが、こうした総合力の必要な状況ではないでしょうか。
幸いにも、強奪や騒乱が起きない日本の状況を、世界は驚嘆の目で見ているという報道もあります。

 そこにあるのは、市井の知性が働く理性的な市民行動だと思います。

 ただし、この状況がいつまで続くかは不明です。この状況が長く続けば不安とプレッシャーに押しつぶされそうになる人も出てくるでしょう。そうした人たちの理性を押しとどめるのは、豊かな言葉の力ではないでしょうか。

 ぜひとも、皆さんの言葉の持つ力、コミュニケーションする力が、少しでも多くの人々の心の安寧を保つ力につながることを期待してやみません。


 皆さん、一緒にがんばりましょう。


2011年3月16日

藤田剛